Eine wienerische Maskerad' - und weiter nichts?

Oper, Wiener Walzer, ein bisschen Symphonie, usw.

R. シュトラウス雑感

 最近はレポートやストリーミングに追われ、なかなかブログを更新できずにいた。オンライン講義になってから、やけに課題が多くなったように感じるが、仕方ないだろう。ストリーミングを見ている以外は、ほとんど課題に費やしていた今日この頃である。

 しかし、そんな中で音楽を聴けることこそ、家にいることの最大の魅力であり、昨日は1日10時間の《ばらの騎士》鑑賞を敢行してしまった。といってもほとんどレポートをしながらということではあるけれど。朝起きてショルティ指揮、ウィーンフィル盤を聴き、ちょうど聴いているときに届いたカイルベルト指揮、バイエルン国立歌劇場ライブを聴き、最後はクライバー指揮、ウィーン国立歌劇場の映像を垂れ流した。そして昨日はウィーン国立歌劇場の《サロメ》のストリーミングで〆た。

 ウィーンのストリーミングの《サロメ》はなかなかよかった。ボーダーはオケをぐいぐい引っ張るように緊張感を高め、タイトルロールのリンドストロームはドラマチックながら繊細さも見せた。久しぶりに《サロメ》を聴いたが、やはりR. シュトラウスの音楽は舞台との結びつきが極めて強く、情景描写の秀逸さには目を見張るものがあった。ストリーミングの前に昨日のタスクをすべてこなしていなかったら、きっと私は今も昨日のタスクをしているだろう。それぐらい、ぐんぐんその世界に引き込まれるような音楽だった。(最後ティンパニが落ちたけれど)

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  そして今はクレメンス=クラウス指揮、ウィーンフィルで《サロメ》を聴いている。確かに有名な《七つのヴェールの踊り》で音楽が弛緩してしまったという批判もアルマ=マーラーなどからあった*1ようだが、それでも緊張感の漂う音楽づくりにひたすら驚かされる。彼は交響詩は《英雄の生涯》を最後にオペラの分野へと進出することになるが、彼のオペラでの情景描写には交響詩を思わせる要素がふんだんに詰まっているように思われる。

 

 さて、何を書こうとしたか忘れてしまった。しかも眠い。最近は何もかもオンラインになってしまうし、部活で泳ぐこともできないしで、疲れはたまるばかりである。なら運動しろという話だが、なかなかその気力もない。昼ご飯の買い出しついでに近所を散歩し、太陽にあたることは心がけているのだが…。

 

 思い出した。R. シュトラウスに何ではまってしまったのだろう…。もともとは《ばらの騎士》ぐらいしか聴いたことはなかったのだが、気づけばレパートリーが広がり、《アラベラ》《サロメ》《エレクトラ》《影のない女》など、どんどん聴くようになった。何なら《アラベラ》以外は巨大なオケ編成でドラマチックなオペラである。ワーグナーもろくに聴かないのに、何でこんな作品を聴いているのか、全く不思議な話である。《アラベラ》もしばらく自分の中で忘れ去られていた作品で、この間ウィーン国立歌劇場のストリーミングで久しぶりに聴いた。なかなかこの作品もはまっていきそうである。特に《ばらの騎士》に似ている部分も感じられるし…。*2

 クラシック音楽を聴き始めたころはヨハン=シュトラウスばかり聴いていた。そこからオペラにはまったが、イタリア・オペラ中心だった。フランスものに入って《カルメン》や《ウェルテル》を知った。でも、R. シュトラウスなどのドイツ・オペラはなかなか聴かなかった。それがふとウィーンで《ばらの騎士》を見たことにより、《ばらの騎士》からではあるけれど、R. シュトラウスを聴くようになった。やはりそれはきっかけがあって、R. シュトラウスのオペラを「実際に見た」という要素が強いのだと思う。実際に舞台を見ながらシュトラウスの音楽を聴き、その音楽的なつくりに無意識的に納得させられた面が強いのかもしれない。それは、やはり彼の情景描写によるところだと思う。無意識のうちに聴いているオクタヴィアンやマルシャリンの音型、銀のばらの献呈のシーンでのfff→ppなど…。それが《サロメ》《エレクトラ》など、そしてそれらとは全く違った感じに一見思われる《ばらの騎士》でも、効果を果たしているのではないかと今なら思える(むろん、聴いているときは全く気付かなかったことではあるけれど)。

ここだけの話、実際に《ばらの騎士》を現地で聴くまでは、次の日のドミンゴ主演のヴェルディの《シモン=ボッカネグラ》のほうがよほど楽しみだった。

 最近《ばらの騎士》は毎日のように聴いているが、おそらくR. シュトラウスの音楽にも、ヨハン=シュトラウスと同様にかなり深い沼があるに違いない。さて、今日はどの《ばらの騎士》を聴こうか…などと今朝も思ってしまった。朝起きると《ばらの騎士》を聴きたくなるのは、絶対に第1幕前奏曲の後の爽やかな朝の情景を音楽とともに思い浮かべるからだと思う(笑)。

 

 今日もまとまりのない雑感を投下してしまった感じがするが、そろそろレポート課題に戻るので、この辺で失礼したいと思う。今日のウィーン国立歌劇場のストリーミングは《トリスタンとイゾルデ》なのである。早く終わらせてしまわないと、聴く暇がなくなってしまう…。