#今聴きたい歌手50選 第1回 ~アイーダ=ガリフッリーナ~
生活リズムが一周回って朝型になってしまった。というのは、一昨日の晩全く寝付けず、結果的に諦めて早朝からウィーン国立歌劇場の《エレクトラ》のストリーミングを見た結果、寝不足と極度の疲労からその日は17時就寝、翌朝5時起きを決めてしまったからであった。とはいえ、朝型になるというのはよいことで、今後も続けていきたいと思う。今日もこのブログを投稿したらさっさと寝てしまうつもりである。もちろんSNSなどを今夜は見ることはないと思う(笑)。
さて、先日Twitterで予告していた #今聴きたい歌手50選 を始めていきたいと思う。簡単に説明すると、最近ストリーミングなどで今を時めく歌手に注目する機会が増えたが、そういった歌手の中で「私が」聴きたい歌手を、私の主観から適当な雑談として適当に語るだけのコーナーである。しかも、とりあえずはブログ1本で1人の予定だが、この重さで完遂できる気はしないので、ご了承願いたい。
というわけで、さっそく今日の歌手を紹介していきたい。選んだ歌手にやけにソプラノが多かったので、今日はこのソプラノから。初めは比較的有名どころから攻めていきたいと思う。
まずはこのソプラノから。プラシド=ドミンゴの「オペラリア」で優勝し、ウィーン国立歌劇場に招かれたソプラノのひとりである。*2 ガリフッリーナの声は硬質だが耳当たりがよい。ビブラートで柔らかくふくよかな美声というよりは、その対極にある感じがする。具体的に言うと、硬質で、密度が高く、弾丸のような芯のある美声である。線は細く、ころころと金属の球を転がすようであり、クリーミーな声でもある。
ビブラートは少なめで、コロラトゥーラの役を得意にしている印象がある。具体的に言うと、ヴィオレッタ(椿姫)、ミミ、ムゼッタ(ボエーム)、ノルマ、そして何と言ってもジュリエット(ロメオとジュリエット)、アディーナ(愛の妙薬)、そしてジルダ(リゴレット)などである。
実際に聴いていただきたいので、次のふたつの動画を紹介したい。
グノー:歌劇《ロメオとジュリエット》第1幕より ジュリエットのアリア《私は夢に生きたい》
youtu.beベッリーニ:歌劇《ノルマ》第1幕より ノルマのアリア《清らかな神よ》
ガリフッリーナはとりわけウィーン国立歌劇場のストリーミングでよく見たソプラノである。ドミンゴ指揮のグノー:《ロメオとジュリエット》のジュリエット役が、とりわけ印象深く残っている。この時はロメオをフアン=ディエゴ=フローレスが演じ、こちらともバランスの取れた、最高のコンビネーションだった。ふたりとも超高音が得意なだけあって、高音の伸びが秀逸で、二重唱などは本当に聴きごたえがあった。
また、ガリフッリーナといえばドニゼッティの《愛の妙薬》でのアディーナ役も外せない。ウィーン国立歌劇場のストリーミングまではあまりよく知らないオペラのひとつではあったが、久しぶりにまじめに聴いたのがこのガリフッリーナだった。やはり素晴らしい。こちらのネモリーノ役はベンジャミン=ベルネームで、このテノールも期待の若手である。持ち前のころころとした独特な美声が、アディーナの性格と相まって、非常によくあっていた。
ウィーン国立歌劇場のオーパンバルにも登場している。2020年にはピョートル=ベチャワとともに出演し、その美声を披露した。今後もウィーン国立歌劇場でも活躍が期待されているソプラノのひとりである。
ウィーン国立歌劇場では、この9月から10月にミミ(ボエーム)を歌う予定。ロドルフォには1990年生まれの気鋭の中国人テノール、ジンシュ=シャホウが登場。マルチェッロはウィーン国立歌劇場との関係が深く、宮廷歌手でもあるバリトン、アドリアン=エレートが予定されている。こちらも配役が豪華で、かなりできる公演である。
ガリフッリーナの公式ホームページはこちらから。
さて、やはり思ったよりも書けないのは私の実力と経験不足なのか…。これから精進していきたいと思う。期待している(特に若手の)歌手は非常に多いので、これからもずっと楽しみである。かつての名歌手(カプッチルリとかカプッチルリとかカプッチルリとか…(笑))に思いをはせるのももちろん大事なことだが、こういう最近の歌手を知る機会をストリーミングが提供してくれるので、これからも見ていきたいし、コロナ禍以後の来日公演や現地での公演を楽しみにしながら、充実した時を過ごせると思う。
それでは今日はこの辺で。